事務局だより268号(2021年6月30日)

発行:全国パーキンソン病友の会事務局

国会請願が2年連続、衆参両院で採択されました

昨年秋より全国支部で取り組み、2021年4月に第204回通常国会へ提出された全国パーキンソン病友の会の「パーキンソン病患者への難病対策の推進を求める請願」が会期末の6月16日、衆議院、参議院共に採択され、内閣に送付されました。
衆・参両院での  「採択」は2年連続となり、333疾病ある指定難病のうち個別難病の請願としては、昨年に引き続き全国パーキンソン病友の会だけという快挙となりました。採択には本会議において全会派一致での賛成が必要となりますので、長年のパーキンソン病友の会の活動が、国においても信頼を得た結果であると言えます。今年の署名活動は、署名筆数集約結果は76,909筆と昨年を下回りましたが、新型コロナ感染症の蔓延で外出して面談で集めるのが困難な中、これだけの署名を集めるために頑張っていただいた皆さんの努力と熱意が、ここに「2年連続の採択」という形で結実したものに違いありません。
2年連続の「採択」というこの結果は、難病法の5年見直しのとりまとめにも大きく影響を与えるに違いありません。価値ある採択であるといえます。この成果は今年だけにとどめず、継続して採択されるよう来年も頑張りましょう。また、採択されたものをどのように実現していくか、そのためにも私たちの活動をさらに高めていきましょう。

難病法5年の見直しに向けて難病対策委員会が再開されました

厚労省の難病対策課がコロナ対策本部となったため大幅に遅れていた難病法の5年見直しが、半年ぶりの難病対策委員会の再開により再び動き始めました。6月には2回(2日、30日)連続開催され、来年通常国会への法案提出に向けて、「見直しに関する委員会意見書(素案)」が公表されました。
(1)患者数の多い疾病の指定難病除外については
具体的な疾病名をあげての指定除外の議論は今回行われない見通しとなりましたが、「治療成績の改善状況等を評価して、調査研究及び医療技術の進展による治療方法の進歩に伴い、長期の療養を要しなくなる等、指定難病の要件に合致しない状況が生じていると判断される場合は医療費助成の趣旨・目的に照らし、対象疾病の見直しについて検討することが適当である。」ことが再確認されていますので、引き続き注視していく必要があります。
(2)重症度基準の見直し
難病法発足時の3年間の軽症者特例措置が終了した時点で疾病ごとの認定率に大きな差が出たことから、公平性の名の下に重症度基準の見直しが議論されています。「現行の認定基準について、医学的観点からより公平なものとなるよう、見直しが行われる必要がある。疾病間の公平性を確保する観点から、まずは、同一の領域内で同様の症状等を評価する場合には、可能な限り当該症状等を評価する客観的指標の標準化を図ることが適当である。」とされ、パーキンソン病の重症度基準「ヤール3以上、かつ日常生活困難度2以上」が見直しされる可能性が出てきています。これはなんとしても阻止しなければなりません。
(3)医療費助成の始期の前倒し
新規申請においては、臨床調査個人票や医療意見書の作成に要する期間や、医療費助成の申請を行う余裕の有無に関わりなく、医療費助成の対象となる状態になった時点で、速やかに医療費助成が受けられるようにすることが適当であることから、医療費助成の開始のタイミングを現在の「申請日」から、前倒しして「重症化時点(認定基準を満たすことについて指定医が診断した日)」からとすることが検討されています。現在、遡れる期間を無制限とせず、1ヶ月程度が適当かについて議論されています。
(4)軽症者の登録
データ登録の促進策の一つとして、データを登録した場合には、臨床データが国のDBに登録されることを証する「登録者証」(仮称)を発行することが検討されています。「登録者証」(仮称)の交付目的は、
①患者のデータの収集を行い、治療研究を推進する目的
②地域における各種の支援を受けやすくする療養生活の環境整備等の目的
の2つを併せ持つものとされています。
一昨年の5月より行われてきた難病・小慢の5年見直しの議論ですが、今回の委員会をもって報告書の取りまとめが行われ、一区切りとなります。

自民党と公明党からヒアリング

コロナ感染の影響で一年以上遅れていた難病法の5年見直しは、この6月から厚労省難病対策委員会において再開されました。6月10日と15日には公明党と自民党からも要請があり、両党の厚生労働部会のヒアリングが、難病団体としてはJPA(日本難病・疾病団体連絡協議会)と全国パーキンソン病友の会の2団体に対して行われました。平峯代表理事と藍澤事務局長が出席し、意見発表を行いました。

JPAの副代表理事に本部事務局長が就任しました このたび、藍澤事務局長が全国パーキンソン病友の会から、日本難病・疾病団体協議会(JPA)の副代表理事に就任いたしました。JPAとの連携を強化し難病法を守ることはもとより、すべての難病患者の医療と障害福祉施策の拡充、地域で尊厳を持って暮らせる社会、介護、就労、年金、差別など様々な課題に取り組み活動してまいりますのでご支援、ご協力のほどお願い申し上げます。

<2021年03月-2021年06月の活動日誌> 

03月
03日(水) 武田薬品工業・QLife社会議
04日(木) 神経難病団体ネットワーク会議
13日(土) JPA・武田薬品工業共催患者団体研修会参加
16日(火) 下﨑税理士(事)定例チェック
23日(火) 第49回理事会開催

04月
06日(火) 下﨑税理士(事)定例チェック
11日(日) JPA幹事会出席
13日(火) 予備監査
16日(金) 全国難病・慢性疾患フォーラム実行委員会出席
28日(水) JPA理事会打合せ

05月
09日(日) JPA理事会打合せ
11日(火) 会計監査
13日(木) 下﨑税理士(事)定例チェック
16日(日) JPA定時社員総会・難病の日記念イベント出席、JPA理事会出席
17日(月) 理事会第50回開催
20日(木) 厚労省障害者策課と打合せ
24日(月) アッヴィ社会議
26日(水) JPA会議参加
27日(木) JD(日本障害者協議会)政策委員会出席、JPA三役会出席
31日(月) 三役打合せ

06月
01日(火) JD(日本障害者協議会)総会出席
02日(水) 厚労省難病対策委員会第67回傍聴
03日(木) 全国難病・慢性疾患フォーラム実行委員会出席
07日(月) 三役打合せ、JPA会議参加
08日(火) JPA三役会出席
10日(木) 公明党ヒアリング、JPA会議参加
11日(金) 自民党ヒアリングテスト事前打合せ、JPA会議参加
12日(土) JPA三役会出席
13日(日) JPA理事会出席
15日(火) 自民党ヒアリング
18日(金) 厚労省障害保健福祉部訪問打合せ、JPA会議参加
20日(日) 第12回定時社員総会開催
21日(月) 厚労省障害者部会第112回傍聴、JPA会議参加
24日(木) JD(日本障害者協議会)政策委員会出席
25日(金) JPA会議参加
28日(月) 会報165号対談、厚労省障害者部会第113回傍聴
29日(火) JPA会議参加 30日(水) 厚労省難病対策委員会第68回傍聴