事務局だより266号(2020年11月30日)

発行:全国パーキンソン病友の会事務局

第65回難病対策委員会が開催されました

新型コロナウイルス感染症の影響により延期となっていた難病・小慢の合同委員会が、10月16日(金)約8か月ぶり開催され、難病・小慢対策の見直しに係る主な論点について議論が行われました。

(1)データ登録のオンライン化に関して
オンライン化が実現した場合の実務の流れ、オンライン化による負担軽減、セキュリティ対策等について、患者会からの意見として、難病患者に対する偏見や差別、いじめがまだ社会の中で起こっていることから、「セキュリティがより強固なものになるよう慎重に検討を進めていただくとともに、人権の観点からも国民に正しく理解をしてもらえるよう、より一層啓発してもらいたい」との意見が述べられました。臨床調査個人票(以下、臨個票)の文書料についても、患者にとって大きな負担となっていることが述べられ、「オンライン化によるスリム化とあわせて、患者がためらわず申請できる文書料の設定をお願いしたい」との意見が述べられました。

(2)難病患者のデータ登録の在り方について
データ登録等の意義と役割、データ登録の流れ、対象者・項目・頻度、「登録者証」(仮称)のあり方)についての議論が行われ、患者会からは、「難病法でも治療研究は大きな柱となっているので、医療費助成の対象とならない人のデータ登録についても、なるべく広い対象で登録できるようにしてほしい」との意見が述べられました。また、臨個票についても、「申請のためだけに毎年検査をしなければならず、中には患者にとって納得感のない項目もある。その点が解消されれば登録が進むと思うので、スリム化の議論をする際には、患者側の意見も聞いていただきたい」との要望が出されました。

登録証のあり方についても、「医療費助成の対象外となった方でも、福祉や就労で支援が必要な方もいること、体調の変動があった際には速やかに支援につながるような登録としてほしい」との意見が述べられ、登録の範囲について、「最初はできる範囲からはじめるということは理解できるが、指定難病になること自体ハードルが高いので、将来的には広げてほしい」との意見が述べられました。

同意の取り方についても、「指定医・医療機関での同意取得は患者の負担も減り望ましいが、患者は医療だけでなく地域社会で暮らしているので、保健所との関わも大切にしてほしい。福祉・災害対策等の課題もたくさんあるため、なんらかの形で地域での支援とつながることができるようにしておいて、地域保健医療や対策が患者の実態にあったものとなるよう、引き続き検討してほしい」と要望が出されました。

(3)その他、患者代表以外の委員からの主な意見
・がんのデータ登録は全例登録で、登録しないと診療報酬下がってしまうこともあり、医療機関でも登録作業の体制(スタッフ等)が整っている。
・今年は受給者証の更新は、年々作業が複雑化していて、行政窓口業務の負担が大きくなっている。オンライン化による手続きの簡素化をぜひ進めてほしい。
・実際に診断書を書いてきた立場から、データ登録を進めるにあたり臨個票のスリム化は避けられないと思う。政策班の意見で、疾患研究のために項目が沢山必要とのことだったが、現場では記入が難しいことが言われていた。簡素化しないとデータ登録は難しいので研究は別立てで考えたほうがいいのではないか。
・登録することによるメリット(特に患者さんの)が分かるようなチラシやパンフレットを作って欲しい。

最後に、最近の難病・小慢対策の動きについて事務局より説明が行われ、年内を目途に合同委員会で取りまとめがなされる旨の予定が報告されました。

令和3年度特定医療券等の取扱いについて

令和2年度の特定医療券の更新手続きは免除され自動更新されましたが、令和3年度の手続きについて厚生労働省より都道府県自治体宛事務連絡が、11月13日に発出されました。

(1)令和3年3月1日以降に受給者証の有効期間が満了する受給者に係る更新手続き等は、通常の手続きにより行われます。
(2)郵送による申請や計画的な手続きにより、コロナ感染禍でも円滑な手続きが行われるよう、自治体に対して配慮を求めています。

■CiRA設立10周年記念誌

CiRA(京都大学iPS細胞研究所)の設立10周年記念誌が発行され、全国パーキンソン病友の会からのお祝いメッセージが掲載されました。
「パーキンソン病治療研究への取り組みに感謝:CiRA設立10周年誠におめでとうございます。私たちも3年後には患者会立上げ50年を迎えますが、半世紀にわたる多くの医療関係者及び行政に関わる皆様の日夜を分かたぬ奮闘なしには今日の難病医療の到達点はありえませんでした。根本原因の探求と治療方法の確立にはまだ不十分ですが、実現したiPS細胞によるパーキンソン病の治験は患者の大きな希望となっています。先般の政府からの研究費予算の削減通告は友の会としても大きな危機感と憤りをもって、強く抗議し研究費予算の確保を世論に訴えるものです。患者・家族の願いを実現する、iPS細胞を生かしたパーキンソン病治療が一日も早く訪れるよう心から願っております。」

全国パーキンソン病友の会 前代表理事 長谷川更正

全国パーキンソン病友の会ホームページのURLが変更されました

新しいURL:https://www.jpda.jp

<2020年10月-2020年11月の活動日誌> 

10月
05日(月) 会報編集会議
06日(火) 下﨑税理士(事)定例チェック、武田薬品との会議
15日(木) 武田薬品との打合せ
16日(金) 第65回難病対策委員会
17日(土) 難病医療費勉強会
22日(木) 大日本住友製薬打合せ
28日(水) 難病・慢性疾患全国フォーラム実行委員会
29日(木) JIS障害者・高齢者等アクセシブルサービス検討委員会(第1回)

11月
01日(日) 順天堂大学PD初診者勉強会
04日(水) 武田薬品・QLife社会議
05日(木) からだ元気治療院社来訪、下﨑税理士(事)定例チェック
07日(土) 難病・慢性疾患全国フォーラム2020
10日(火) PhRMAセミナー
12日(木) エーザイ社来訪
16日(月) 会報163号編集会議
19日(木) QLife(武田薬品)社打合せ 24日(火)
      JIS障害者・高齢者等アクセシブルサービス検討委員会